ワイン没収事件


ウィーンのグリンツィング Grinzing 地区といえば、
ワイン居酒屋が並び、道路をちょっとそれればぶどう畑が広がる、
ガイドブックには必ず載っている有名地区

ドイツ人がべろべろになるまで飲みまくり(←やっぱりいるんだよ)、
インド人団体まで見かけたくらい(←いいのか?)
メジャーなところ

 

そのグリンツィングのオーガニックワイン生産者が、地域のフリーペーパーと組んで
行ったワインのプロモーション

 

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Wiener Bezirkszeitung

Ausgabe 12


キャッチフレーズは、

「ユーモアでパンデミックに立ち向かおう」

Mit Humor gegen die Pandemie

 

 

用意されたワイン・ラベルは2種類

① ウィーンの注射 Wiener Jaukerl

② 飲む注射 Schluck-Impfung

 

ここ数年連続でワイン用ぶどうの出来が良く、上質なワインができて生産者は大喜び!
になるはずだったのに、昨年初頭からコロナ禍
飲食店も営業短縮または営業中止、実店舗販売も同様、行き場を失った在庫が増えているというニュース

 

そこへ笑いを誘うこの売り文句
オーストリア人、ウィーン子はこういうユーモア好きだし、
それ以上にアルコールは好きそうだし

 

と思っていたら、2週間後のテレビニュースで、

ウィーンのオーガニックワイン生産者が作った「飲む注射」というワインが、
当局に没収されました

 

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没収ラベルが貼られている

 

え? 没収? ヤバいヤツだったの???

 

ほっとしたのは、生産者や中身がヤバいものだったわけではないこと
ラベルのネーミング、飲む「注射」Schluck-"Impfung" が問題だったらしい

医薬品でもないものに「注射」という単語を使うと誤解を与える可能性がある、
医事法・薬事法に抵触するということらしい

 

いや、だって、販売者もギャグですよって言ってるし?
待てよ、確かに、ギャグと知りつつ言い訳につかう人たち少なからずいそうだし・・・

うーむむむ

 

なので、「ウィーンの注射」ラベルはそのままお咎めなし
※「注射」にあたる単語がウィーンのスラングだったので

 

何だかなーと思っているうちに、また数週間

今度は、

「飲む注射 検閲済み」

発売ニュース

 

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ORF をはじめいろいろなメディアが報道

 

「注射」という単語の上から赤で「検閲済み」というスタンプを押したデザインのラベルに変更してワインを販売続行するとのこと

 

どうやら1500本ものワインが丸ごと没収・廃棄となったわけではなかったみたいで、ラベル(ネーミング)を変えて販売となった模様

 

いや~ お見事❣
禍を転じて福と為す

 

プロモーターの「こんなことに負けませんよ」という言葉も印象的

 

早速ポチッと

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「注射」2本セット

 

箱には「元気でね」Bleib xund! のシール
お咎めなしのウィーンの注射」物言いがついた「飲む注射(検閲済み)」の2本セット

 

どちらも中身はほぼほぼいっしょの白ワイン(キュヴェ)で使われているぶどうは、
グリューナーフェルトリーナー、ピノブラン、リースリング、シャルドネ

素人の私には、生産者の「ほぼほぼいっしょ」の意味がよく分からないが、
素人には同じということだと解釈

 

おいしいワインにコメディーで大笑い
笑って免疫力アップ❣

本当のワクチンが普及するまで、もう少し頑張ろう❣

 

 

 

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